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敷地
緑の豊かさに恵まれた北海道神宮に隣接した、札幌の旧市街の一つ、「宮の森」の一郭にこの敷地は位置している。
裏参道を横目に見ながらの、札幌には珍しい露地風の細街路によるアプローチが印象的である。
緑の多い旧い街区ではあるが、隣接住民群のために、日照条件には必ずしも恵まれておらず「太陽に溢れたリビングスペースを、この敷地条件の中で確保する手法は…?」が私たちの第一に考えたことであった。
人びと
北国の自然に親しみ、 D. I. Y. を楽しみの一つにしているご主人と料理がとても上手な奥様、そして二人の可愛らしい女の子がこの家の住人である。
認識
北海道の冬は決してグルーミーではないが、長くかつ厳しい。
この地の街づくり、住宅づくりは戦後始まったと言っても過言ではない。
この 35 年間に形成された街並には、いわゆる寒地住宅のプロトタイプの発見、その普遍化、そしてその風化の過程が極めて明確に刻み込まれている。
そんな現在、再び北海道の住宅をめぐっての多くの動向とプロジェクトが氾濫する。
しかしその大部分は、お定まりの技術論的なコンテクストに基づくものであったり、極めて表層的な建築ブリッコ的コンテクストによる「作品」であることに気付かねばならない。
今、私たちには「北国の住まい」へのコンテクストの再構築とシルエットの探究とが問われている。
そんな状況の中、テクニカル・アプローチの成果に注意深い眼を配りながら、二人の女の子が育ってゆくこの住居の「家」と「家型」の探究が私たちの主たるテーマであった。
平面計画・立面計画
この計画は敷地状況と周辺環境との関係の中で、建物の素型を探ることから始められた。敷地を南北に三分割し、南からサブ・ハウス(漬物等も可能な外部収納、ガレージ)、コート、住宅という構成を計った4人家族のためのこの住宅では、1階に個室群・ユーティリティ、2階には居間・食堂・和室を配し、主たる生活空間を2階に設定している。
食堂とブロックの壁で一部区分けされている居間には、連なった開口部を設け、外壁を構造体から剥離させ、コート側に脹らませて、そのアイデンティティの獲得と、ブロック造の構造的空間規定性の否定を意図している。
アプローチ側の露地に立ち上がった無機的ではあるが柔らかい白い長方形の壁、地面から視線レベルまで上昇しながら貫入してゆく黒いステップ・エントランス、構造体から押し出されながら2階居室レベルへと連続してゆくステップ・ボックス、そして外部に対し膨脹する居間部分の柔らかなふくらみ、そして木製サッシュがこの「家型」のシルエットを形づくる形態素である。
ディテール
ブロックをそのスケルトンとし、壁面、屋上、床の外側からスタイロフォームとグラスウールで包み込んだ外断熱工法を採用し、極めて高い熱性能を得ている。
開口部には、試験生産中の道産のカラ松を利用した集成材 (L.V.L) を用いているが、開口部用素材としての性能は充分であり、今後普及化してゆく道の発見に務めたい。
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