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F邸は札幌東部に拡がるニュータウンの一角にある。エンジニアであるご主人と料理好きの奥さん、それに女の子という3人家族の住まいである。
このブロック造の住宅は、当初木造の計画から始まった。コスト配合のレベルで「構造が最優先、とにかく丈夫で暖かい住まい」というテーマになった時点から、ブロック造でという話に移行していった。
建物全体を断熱材で外側から包み込み、コンクリート、コンクリートブロックの蓄熱作用で、室内環境をコントロールするという手法を用いることになった。内部の仕上げは、コンクリート打放し、コンクリートブロック素地と、素材がそのまま仕上げである。暖房は、石炭他を燃料とするデンマーク製の鋳物ストーブに依る。
均質な温度分布を計るため、室内は極力空間的に連続させることを心掛け、その結果空間の広がりを獲得することが出来た。
熱損失の少ない建物に置かれた、微調整の可能な石炭ストーブが、かつてあったストーブを囲む北国の生活を、形を変えて実現できる可能性を持ち始めたのではないか。長い冬の生活が、石炭をくべるというアクティブな中心を持つことになる。
ブロック、コンクリート、木という北海道から生み出された素材に包まれて、室内は不思議な暖かさを持つことが出来た。経年につれて、建主の生活が浸み込んで、徐々に豊かな仕上げになってゆくに違いない。
居間の上部は勾配屋根にそった吹き抜けとなり、上部の屋根と連続している。切り取られた三角の窓からは、北海道の空が動く。
外部の仕上げもコンクリートブロックとしたのは、荒涼とした北海道の風景にどっしりと腰を据えたいためである。一部木造でか
けた屋根とコンクリートブロックの四角いかたまりのコントラストは、これからのブロック住宅のひとつの形の現われであると考える。(鈴木敏司)
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